2010年03月31日

【同盟弱体化】第2部 普天間問題(上)県外固執 首相の甘さ(産経新聞)

 「県外移設、頑張りましょう」

 3月26日夜、東京・赤坂にある韓国料理店内に首相、鳩山由紀夫の声が響いた。鳩山はこの日の記者会見で、米軍普天間飛行場の移設問題について「極力、鳩山としては県外に移設させる道筋を考えたい」と明言していた。秘書官らに囲まれ上機嫌の鳩山には、会見の余韻が残っていたのかもしれない。

 当面は普天間飛行場のヘリコプター部隊を米軍キャンプ・シュワブ陸上部に造る600メートルのヘリパッドに移すものの、固定翼機の離着陸機能や訓練機能を九州各地の自衛隊基地などに移転させ、「普天間の機能を沖縄から5割以上県外に出すこと」(政府高官)に鳩山の主眼が置かれている。

 3月中旬、県外移設は困難との見方が強まるなかでも、首相に近い外交専門家は「マスコミは間違っている。いまに首相は県外でやるぞ」と言い切った。米軍基地が集中する「沖縄の過重な負担」が常に鳩山の頭にあったという。鳩山周辺は「昨年の総選挙で県外を訴え勝利した。なんとか県外を形とすることに首相はこだわった」と解説する。

 食事に後から加わった官房長官、平野博文は「県外」を繰り返した鳩山の発言を苦々しげに聞いていた。県外移設で収まればいいが容易ではない。しかも抑止力維持を重視する米側を納得させるには「県内移設」も追求しなければならないとの思いがあった。平野は意を決したように口を開いた。

 「あんまり、わーわー言わんとってくださいよ。真剣にがんばっているんですから…」

                  ◆◇◆

 「もし県外で移転できそうな場所があるなら、調べてくれませんか」

 政権発足後間もない昨年10月、鳩山は旧知の官僚OBや同僚議員らにこう依頼した。すぐに応えたのが静岡選出の民主党衆院議員、牧野聖修(せいしゅう)だった。後援者に徳之島出身者がいたこともあり牧野は島に足を運んだ。徳之島は沖縄に近く、他の候補地よりも移転しやすい。なんといっても「県外」といえる。鳩山が徳之島を本命視しているのは間違いない。

 一方で、官邸内では別な動きも進んでいた。

 「官房長官の側近」を名乗る男が昨年末、沖縄商工会議所名誉会頭、太田範雄のもとを訪れた。沖縄市で建設会社を営む太田は平成15年、うるま市の米軍ホワイトビーチ沖に3600メートル級の滑走路2本や港湾施設などを建設する巨大基地計画を構想した。平野は「那覇の基地をすべて持っていける」とホワイトビーチ沖案に飛びついた。平野は環境破壊や新たな基地負担の受け入れに難色を示す沖縄県側の反発を懸念する政府内の声に耳を傾けず、23日の関係閣僚による最終協議でもその持論を曲げることはなかった。

                  ◆◇◆

 「報道は必ずしも事実でない。県外案もある。官房長官を中心に検討中だが、最終的には私が決めます」

 鳩山はシュワブ陸上案が報じられていた2月下旬、与党幹部にこう漏らした。

 県内移設を懸念する社民党党首、福島瑞穂からの携帯電話を受けるたびに「県外で頑張ります」と答え、期待を持たせていた。

 しかし、鳩山があいまいな態度をとる間に、移設先と報じられた自治体からは反対の火の手が上がった。しかも、鳩山は昨年、シュワブ沿岸部に移設する現行案を受け入れるかのようなメッセージを米側に送っていたのだった。

                   ◇

 政府案とりまとめに向けて大詰めを迎える普天間問題。県内、県外と揺れ続ける鳩山政権の動きを検証する。(敬称略)

                   ◇

 ■「米の立場 はっきりしている」

 政府は26日、外相、岡田克也が駐日米国大使のジョン・ルース、防衛相、北沢俊美が沖縄県知事の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)とそれぞれ会談し、普天間移設の検討状況を説明した。岡田との会談を翌朝に控えた25日午後、ルースは防衛政務官、長島昭久に苦り切った表情でこう訴えた。

 「鳩山政権を傷つけるつもりは全くない。しかし、米国の立場ははっきりしているのです」

 長島はルースの言葉の端々に、キャンプ・シュワブ沿岸部(沖縄県名護市)へ移設する現行案に戻してほしいという米政府の訴えを感じ取った。

 26日の岡田との会談後、ルースは「普天間問題に関する日本政府の現在の考えについて説明を受けた。米政府はこれを慎重に検討する」というあっさりとした声明を文書で発表した。

 ルースには鳩山内閣への不信感があるとされる。きっかけは、昨年11月の米大統領、バラク・オバマとの会談での鳩山の「トラスト・ミー」発言だった。

 鳩山「時間をかけてばかりはいられないことはわかっています。どうか私を信じてください」

 オバマ「もちろん信じますよ」

 米側は首相がいずれは現行案を受け入れると受け取ったという。

                  ◆◇◆

 米側の求めに反して鳩山は昨年12月、連立政権維持を優先し、普天間問題の年内決着を先送りした。

 12月15日午前、岡田と外務省で会ったルースは、同日午後、大使公邸に北沢を招いた。

 「時間はかかるが現行案で進めたい」とする岡田と、「新たな移設先を検討する」という北沢。ルースは「岡田さんと北沢さんの言っていることが違う」とつぶやき、同日夜、首相官邸に駆け込んだ。

 同席した岡田が現行案の検証を続けるという方針を説明すると、鳩山は「その方針に沿ってやりますから」と相づちを打った。

 ルースは鳩山の言葉に胸をなで下ろし、5月末までに決着させるという日本政府の約束を信じた。ところが、鳩山は現行案ではなく「県外」へと傾斜していった。

 「現行案は自民党と共和党政権が結託してできた案だ。民主党のオバマ大統領に近い人たちは、現行案でなくても受け入れるはずとの確信が首相にはある」

 首相に近い外交専門家はこう解説してみせる。

 もっとも、鳩山の「自信」とは裏腹に、政府案とりまとめが迫っても政権内はまとまっていない。

 鳩山は26日の記者会見で、「今月いっぱいに政府案をまとめる」と強調したが、「政府案」が何を意味するかについても閣僚間に共通認識はない。

 訪米中の岡田は記者団に対し、鳩山の発言について「閣僚間で確認しているわけではないので、よくわからない」と、首をかしげた。平野も29日の記者会見で「1つの方向性は3月中にまとめたいが、1つの案ではない」と語った。

 当の鳩山も29日、政府案とりまとめについて「今月中じゃなきゃならないと別に法的に決まっているわけじゃない」とトーンダウンした。

 鳩山の発言がぶれるなかで、岡田はワシントンで米国防長官、ロバート・ゲーツと会談した。鳩山の「3月中」という言葉を信じた米側の失望を意識してか、平野は正式な日米協議は始まっていないとし、岡田−ゲーツ会談をこう位置付けた。

 「担当大臣としての考え方での情報収集、事前協議という認識だ」

                  ◆◇◆

 「下地がシュワブ陸上案を言っているようだが、県内の様子はどうなんだ」

 民主党幹事長、小沢一郎は24日、沖縄県選出の衆院議員、玉城デニーに同じく同県選出の国民新党国会対策委員長、下地幹郎の動向を尋ねた。

 下地を支える地方議員らが県内で厳しい状況におかれていると、玉城が説明すると、小沢は「ああ、そうか。そうだろうな」と深くうなずいた。

 普天間をめぐり連立政権が揺れるなかで、小沢側近からは「『小沢首相』ならこんなにもたつかない。持ち前の豪腕で一気に合意に持ち込むだろう」と、小沢が問題解決に乗り出すことへの待望論もでている。

 しかし、小沢が自ら動く気配はない。鳩山と小沢が普天間問題でつっこんだ相談をしている気配もない。民主党関係者によると、小沢は3月中旬、側近にこうもらしたという。

 「自分が普天間問題に乗り出すと総理の手柄にはならない。だから黙っているんだ」(敬称略)

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posted by クロダ トオリ at 10:54| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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